パンの発酵の話。人生マニュアルモードで。


 

 

 

 

パン作りはその日の気温や湿度に左右されます。同じように作っても、生地が硬くなったり、膨らまなかったり。祖母が「今日は寒いからお湯の温度は高くても大丈夫」とか言いながら、その日の温度と湿度をノートに記録していた訳が最近自分でも分かるようになってきました。

 

 

気温が低いとパンの発酵が進まず、生地が硬くなってしまいます。また乾燥もパンの膨らみを悪くします。パン作りに適した温度は28℃・湿度は70%以上、この間の室温は19℃でした。温度計を使わなかったので、お湯の温度が分からず、イーストの適温を気にするあまり、お湯を冷ましすぎてしまいました。生地が硬くなってしまったため、お湯を5cc追加、バターはいつも常温に戻して使いましたが、レンジでチンして溶かして生地に入れてみます。ちょっとはマシに、1次発酵は発酵器を使って38℃で40分発酵させるといつもの生地になってくれました!

 

 

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始めて作ったシナモンロールの、お気に入りの写真です。この時は生地に牛乳を混ぜたので、生地が硬めに仕上がり、綺麗に巻けています!

 

 

 

パンを作ることとこれに似ているなとふと思ったのはフィルムカメラで写真を撮ることです。パンは焼くまでどんなパンができるか、分かりません。フィルムも現像するまでどんな写真が撮れるか分からない。自分はどんなパンを作りたいか、どんな写真を撮りたいかをイメージして、調整していきます。パンはその日の気温や湿度、写真は天気や光がポイントです。パンは材料、分量、お湯の温度、発酵時間、写真は絞りやシャッタースピードの調整をしていきます。それによって、出来上がりも変わってくる。その調整こそが自分の技量になる。知識や経験だけでなく、勘やセンスも大事だと思います。“今の状況”に合わせた見極めが重要であり、それこそがパン作りやフィルムカメラで写真を撮ることのやりがいなんだろうなと思います。簡単に上手くできず失敗もするし、2度と同じようなものはできないからこそ、楽しいのだと思います。

 

 

美味しいパンは買えば食べられるし、オートなら綺麗な写真はすぐ撮れる。人が代わりにやってくれていたり、技術の進化だったりして、自分が気づいていないことが沢山あるんだろうと思います。ずっと都会に住んでいたし、便利で簡便・スピードが発展する世の中で、それに慣れてしまっていますが、時間をかけて、自分で作ることの楽しみを見つけて、それが自分の生活の大部分になったらいいなと、それが私の目標でもあります。人生、マニュアルモードで。車の運転はオートマ限定です(笑)

 

 

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